11年前の今日も金曜日だった。あの日の事は一部始終なに一つ忘れられない。仕事は休みだった。
出先はビルの5階。エレベーターが使えず非常階段で外に出た。強い余震が続いて足元がグラつく。
延々と上り坂を歩いて家に着いたけど電気がつかない。大きな被害は無かった。冷蔵庫の上の物が落ちてるぐらい。グランドピアノと同じ重さのリビングボード。耐震処置をしておいたから倒れてなかった。良かった。
携帯が繋がらない。家族はどうなったか?
この日は朝から何も食べてなかった。電気はつかないけど水道とガスは大丈夫だった。コーヒーを淹れて暖を取った。とにかく寒かった。ダウンジャケットを着たまま毛布にくるまって疲れて寝てしまった。
21時。
ファックスの「ピー」という音がして目が覚めた。電気がつく?ようやく携帯の充電が出来て少しずつ連絡が取れるようになった。
家族を友達を大切な物を失って、11年経った今でも心の傷は癒えない。悲しみが色褪せる事は無い。それでも生きていかなければならないんですよね。
せめて命を大事にしましょう。愛する人を悲しませないために。ページTOP